last modified: 2005/09/09
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新人賞受賞作家エッセイ
「切れ味は如何?」
機本伸司
何か、サバイバルナイフを手にしているような気がする。 料理なら包丁で良かったはずだ。 それが何故か、サバイバルナイフなのである。
これ、万能なようで、そうでもない。 扱いにくいし、使う機会は意外とない。 携帯には便利だが、持ち歩けば手荷物検査で引っかかる。 TPOをわきまえないと、人前に出して妙な顔をされることもある。 そういえば、まわりで使っている奴も、滅多に見かけない。 けど、世の中から消えてなくなったという話も聞かない。 それなりにニーズがあるからなんだろうと思う。
確かに料理だけなら、包丁という選択肢もあった。 しかし屁理屈を言うようだが、料理にサバイバルナイフを使っても、決して間違いではないはずだ。 シチュエーションによっては唯一の方法ということさえあるかもしれない。
これがあれば、できるのは料理だけじゃない。 人を傷つけることもできてしまう。 もちろんその名の通り、自分や周囲の人をサバイバルさせるツールともなる。 現実の問題に切り込んでいく潜在力を秘めているのは間違いないし、未知の領域へ足を踏み入れていく際の心強いパートナーにもなり得る。 実際に使うのではなく、チラつかせるだけで効果がある場合もある。 いや、所持しているというだけで、快感めいたものさえおぼえる。
しかし、ただ持っていても仕方ない。 持っているのなら、使わない手はないのだ。 さらに知恵を絞って、自分なりの使い方を工夫してみてもいいかもしれないと思う。
サバイバルナイフ――。 そういうものなのだ、僕にとってのオヤジギャグとは。 ん?
さあ頑張って、次の長編コキ下ろし小説に取り組むぞ。 そして胸ポケットにはもちろん、サバイバルナイフ!
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